1.開催主旨
我が国では、高齢化や人口減少が進み、地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まってきています。貧困や差別や排除などの社会課題は解決されず、新たな課題が顕在化しているのが現状です。社会福祉分野においても、制度・分野ごとの縦割りや、支え手、受け手という関係を超えて、地域のあらゆる住民が役割を持ち、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指す地域共生社会を実現する必要があります。
大会開催地の北海道は、昨年度「北海道」と命名されてから150年目の節目を迎えました。さらに、今年4月にはアイヌ民族を「先住民族」と初めて明記したアイヌ施策推進法が成立しました。この新法はアイヌ文化振興法に代わるもので、差別の禁止を定め、観光や産業の振興を支援する新たな交付金制度の創設などが盛り込まれています。アイヌ施策推進法の基本理念として、アイヌ民族に対する差別や権利侵害を禁じてはいますが、実効性を確保する具体策が欠かせないなかで、日本における多文化共生のあるべき姿も展望する必要があります。
今回の第25回北海道大会では「未来へつなぐ、みんなでつなぐ。」をテーマに、参加者同士が、わたしたちの「生きる未来を共に語り合い」、多様な人々が「共につながりあう」多文化共生社会の創造を目指すことを目的に開催いたします。
2.テーマ
未来へつなぐ、みんなでつなぐ。
~ 多文化共生社会を育む福祉教育とボランティア学習 ~
3.期 日
2019年 11月 23日(土)・ 24日(日)
4.会 場
北星学園大学(〒004-8631 札幌市厚別区大谷地西2丁目3−1)
5.主 催 2>
日本福祉教育・ボランティア学習学会
日本福祉教育・ボランティア学習学会第25回北海道大会実行委員会
共 催
日本福祉教育・ボランティア学習学会第25回北海道大会実行委員会
北星学園大学
後 援(予定)
北海道、札幌市、北海道教育委員会、札幌市教育委員会
北海道社会福祉協議会、北海道共同募金会、北海道新聞社会福祉振興基金
北海道民生委員児童委員連盟、札幌市社会福祉協議会、旭川市社会福祉協議会
登別市社会福祉協議会、名寄市社会福祉協議会、新ひだか町社会福祉協議会、
池田町社会福祉協議会、ここリカ・プロダクション、一般社団法人Wellbe Design
6.日程
7.プログラム内容
1日目のスケジュール : 11月23日(土)
■ふく・ボラサロン【C館:C402号室】10:00~11:30
「福祉教育・ボランティア学習」研究を志す若手研究者・研究に関心を持つ実践者があつまり、日頃の仕事、研究活動に賭ける想いや、悩みを共有することで、参加者それぞれがこれからの実践・研究活動へのヒントを得ることを目的としています。研究に関心を持つ実践者・若手研究者は、ふく・ボラサロンに集まってください。みんなでワークショップを実施します。会員外の方、初めての方も大歓迎。
■受 付 【C館1階ホワイエ】11:30~
■セレモニー 【C館1階50周年記念ホール】12:15~
歓迎セレモニー 一般社団法人札幌大学ウレシパクラブの皆さん
「ウレシパ」とは、アイヌ語で「育て合い」を意味します。ウレシパ・プロジェクトは、札幌大学にアイヌの若者たちを毎年一定数受け入れ、未来のアイヌ文化の担い手として大切に育てるとともに、多文化共生コミュニティーのモデルを作り出そうとするユニークな試みです。ウレシパクラブは、学生だけでなく一般市民や志の高い企業とともに、ウレシパ・プロジェクトを推進する組織です。
■開会式 【C館1階50周年記念ホール】12:30~12:45
主催者あいさつ 原田 正樹 氏(日本福祉教育・ボランティア学習学会長/日本福祉大学副学長)
開催校あいさつ 大坊 郁夫 氏(北星学園大学長)
■基調講演 【C館1階50周年記念ホール】12:45~14:00
「アイヌ文化からみる多文化共生社会の創造」 本田 優子 氏(札幌大学教授)
北海道大学在学中にアイヌ民族でアイヌ語研究者の萱野茂のことを書籍で知る。大学卒業後に萱野氏が暮らす二風谷(にぶたに)に移り住み11年間助手を務める。アイヌの若者の進学率向上と未来のアイヌ文化の担い手を育成することを目標としている。専門分野はアイヌ文化、アイヌ史、アイヌ語。公職に内閣官房アイヌ総合政策室・アイヌ政策推進作業部会委員他。文学博士。石川県金沢市生まれ。
■シンポジウム 【C館1階50周年記念ホール】14:15~16:45
「共生社会をどう創出するか ~ 異なる者との出会いと葛藤 ~」
シンポジスト :大原 裕介 氏(社会福祉法人 ゆうゆう理事長)
高田 大志 氏(医療法人薪水 浦河ひがし町診療所副院長)
松岡 広路 氏(神戸大学教授)
コメンテーター :本田 優子 氏(札幌大学教授)
コーディネーター:原田 正樹 氏 (日本福祉大学副学長)
自分とは異なる世代、ジェンダー、障害、国籍、民族、価値、文化を受け入れるということは、実は簡単なことではない。多様性を認め合い、誰も排除しない共生社会をめざすために、私たちはどうすればよいのか。福祉教育・ボランティア学習の限界や可能性を考える。
■学会総会 【C館1階50周年記念ホール】17:00~18:203>
■情報交換会 【大学会館3F:大学生協食堂】18:30~20:30
2日目のスケジュール : 11月24日(日)
■受 付 【C館1階ホワイエ】08:30~
■自由研究発表 【C館各教室】09:00~12:00
(1)概念・原理・歴史・政策・海外の動向
(2)学校を中心とした展開
(3)高等学校を中心とした展開
(4)大学等を中心とした展開
(5)社協・福祉施設を中心とした展開
(6)社会教育・地域を中心とした展開
(7)実践プログラム・評価
■昼 食 【C館各所、他】12:00~13:00
・お弁当(お茶付)1,000 円(事前申し込みのみ)
・学食と生協の営業はありません。昼食会場としてC館各所を利用できます。
・コンビニはキャンパス近隣にございます。大谷地駅周辺にも飲食店がございます。
■学会課題別研究・特別課題別研究(北海道企画)【C館各教室】13:00~15:30
学会課題別研究・特別課題別研究(北海道企画)は7つの会場に分かれて実施します。参加申し込みの際に希望の分科会を申し込んでください。なお、会場の関係等で必ずしもご希望に添えない場合がありますのでお含みおきください。
▼学会課題別研究
◆【分科会1】学会課題別研究
「共生社会を創造するサービス・ラーニングの評価研究」共生社会の創出に資するサービス・ラーニングの評価論を、実践的理論的に探究することを目的としている。今日、少子高齢化、人々の孤立、マイノリティへの排除等、多く課題が地域社会に存在している。こうした課題に対して、本研究ではサービス・ラーニングがそのプロセスにおいて人々、人と社会のつながりを再構築する機能を有していることに着目している。研究3年目となる今年は「サービス・ラーニングを実践することで、サービス・ラーニングを形成する主体内・主体間にどのような関係性の変化が起こったか」を明らかにする評価論の構築を目指し議論を深めていく。
世 話 人:秋元みどり 氏(青山学院大学)、◎市川 享子 氏(東海大学)、
唐木 清志 氏(筑波大学)、 川島ゆり子 氏(愛知教育大学)、
斎藤 ゆか 氏(神奈川大学)、 村上 徹也 氏(市民社会コンサルタント)、
山田 一隆 氏(岡山大学) ※五十音順、◎は研究代表者
◆【分科会2】学会課題別研究
「介護等体験」の教員養成における現状と学びとしての課題
~若者への福祉教育・ボランティア学習のあり方を検討するために~平成10年より教員養成における介護等体験が義務化されて20年が経過している。この課題別研究プロジェクトは昨年度からスタートし、これまでの介護等体験が教員養成においてどのような意味を有し、あるいは課題を抱えてきたかを検証していくことを通して広く若者への福祉教育・ボランティア学習のあり方を提起することをねらいとする。2年目となる今年は、介護等体験に関わる養成校の教員や学生を対象として、事前・事後学習のあり方について考察していく。この課題別研究を通して若者を対象とした福祉教育・ボランティア学習のこれからを展望するために、興味のある方の研究への参加を呼びかけたい。
世 話 人:菱沼 幹男 氏(日本社会事業大学)
池田 幸也 氏(元常磐大学)
高橋 良太 氏(全国社会福祉協議会)
◆【分科会3】学会課題別研究
「多文化共生とボランタリズム」ここで用いる多文化とは、国籍や民族の違いだけのことではない。むしろ自らとは異なる価値観やジェンダー、障害、世代なども含んで「多文化」と捉える。異なる者同士が共生するためには、異文化理解だけにとどまらず、排除や抑圧、葛藤といった心理的、社会的知見を踏まえ、近未来を構想する力がなければならない。世界的には多文化主義がゆらぎ、カタチを変えたナショナリズムや優生思想が台頭するなかで、こうした反共生に抗う力をどう形成していくか。敢えて今日的なボランタリズムを問うことから、この問いへの道筋を福祉教育・ボランティア学習の理論的基礎研究として取り組みたい。
世 話 人:原田 正樹 氏(日本福祉大学)
佐藤 陽 氏(十文字学園女子大学)
松岡 広路 氏(神戸大学)
大石 剛史 氏(国際医療福祉大学)
▼特別課題別研究(北海道企画)
◆【分科会4】特別課題別研究(北海道企画)
「“福祉”と“教育”をつなぐ“人”となるためには ~ 北海道の実践から考える ~ 」福祉の実践や研究は、教育機関、社会福祉協議会、福祉施設・関係機関、地域など、様々なところで行われ、それぞれ重要な役割を果たしてきている。しかしながら、それら一つ一つは共生社会に向け連携し補完できているのだろうか。本特別課題別研究では、それぞれの報告を踏まえ、個々の点を線や面として実践を支え紡ぐ「人」のつながりのあり方について、北の大地から発信する。
報告者 :藤江 紀彦 氏(登別市社会福祉協議会)
忍 正人 氏(日本医療大学)
鳥居 一頼 氏(地域福祉推進アドバイザー)
阿部 康子 氏(北海道立向陽学院)
手嶋 和之 氏(石狩市立聚富小中学校)
馬川 友和 氏(北海道民生委員児童委員連盟)
指定討論者 :野尻 紀恵 氏(日本福祉大学)
コーディネーター:照山 秀一 氏(恵庭市恵明中学校)
◆【分科会5】特別課題別研究(北海道企画)
「災害ボランティア活動から見るボランティア学習の効果」昨年の自然災害で開設された災害ボランティアセンターは全国で94か所。活動したボランティア活動者数は30万人を超えた。こうしたボランティア活動者の中には初めてボランティア活動を経験する方も多く見られるが、継続性や主体性の高まりを見せてくれる方も多い。災害多発国である我が国において、災害ボランティア活動が持つボランティア学習の効果や災害ボランティアセンターが有するボランティア学習機能について北海道において実践された災害ボランティア活動と全国的な展開を踏まえて考える。
報告者 :中川 睦季 氏(新ひだか町社会福祉協議会)
桒原 英文 氏(コミュニティ・エンパワメント・オフィス FEEL Do)
草野 竹史 氏(NPO法人ezorock)
山本 克彦 氏(日本福祉大学)
指定討論者 :渋谷 篤男 氏(日本福祉教育・ボランティア学習学会)
コーディネーター:篠原 辰二 氏(一般社団法人Wellbe Design)
◆【分科会6】特別課題別研究(北海道企画)
「地域包括ケアと福祉教育
~ 社会福祉法人(施設・社協)や自治体が取り組む「地域づくり」の事例から ~」地域包括ケアシステムの構築の中で、今まさに求められているのは、地域住民に対する多様な福祉教育であり、その効果や成果を確認・検証していく必要があると言える。本特別課題別研究では、地域包括ケアシステムの実現に向けて「地域づくり」の観点から、福祉教育の実践に取り組んでいる社会福祉法人(施設・社協)と地域による実践事例をもとに、地域包括ケアにおける住民の意識の変容と福祉教育が果たす役割、効果、成果等を研究協議する。
報告者 :波潟 幸敏 氏(特別養護老人ホーム鷹栖さつき苑)
畠中 勇志 氏(池田町社会福祉協議会)
飯山 明美 氏(本別町総合ケアセンター)
指定討論者 :杉岡 直人 氏(北星学園大学)
コーディネーター:石黒 建一 氏(社会福祉士事務所うらら和)
◆【分科会7】特別課題別研究(北海道企画)
「福祉教育で地域は変わるか ~ 学校・企業・社協の取り組みから ~」学校教育、企業の社会貢献、市民福祉活動の視点から地域における福祉教育を捉えることで、 多様な福祉教育の展開の可能性や福祉教育を展開する必要がある。地域で実践を展開していく際には、その効果の反面、関係機関との連携や時間、場所といった課題も多く挙げられている。本特別課題別研究では、地域一体となった福祉教育の展開について、その効果や課題、展開方法等について提言も含めて協議し、今後の地域における福祉教育の実践につなげることを目的とする。
報告者 :斉藤 祥子 氏(北海道士別東高校)
松浦 英雄 氏(トヨタ自動車株式会社 士別試験場)
小笠原志朗 氏(名寄市社会福祉協議会)
指定討論者:新崎 国広 氏(大阪教育大学)
コーディネーター:大坂 祐二 氏(名寄市立大学)
■全体会・課題別報告【C館1階50周年記念ホール】15:45~16:05
■大会発表賞表彰式【C館1階50周年記念ホール】16:05~16:15
■閉会式【C館1階50周年記念ホール】16:15~16:30
8.参加費
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※1 ⑤学部生区分と、⑥北海道民区分の参加費は当日受付で申し受けます。参加事務手数料は徴収しませんが、北海道民とわかる「証書(名刺や免許証)」、学部生は「学生証」を提示してください。なお、情報交換会、昼食、要旨集事前購入、宿泊斡旋を同時にお申し込みの場合は、他区分同様に事前振込が必要になります。(※2019年7月1日追加情報)
※2 ⑥北海道民区分は1日間の参加につき1,000円の参加費となります。会場の収容人数調整により、当日申込を受付できないことがございますので、事前申し込みにてお早めにお申し込みください。なお、本学会員の方で、自由研究発表をお申し込みの方は①の会員区分でのお申し込みとなります。(※2019年7月1日追加情報)
※ 事前申込期間内に参加のお申し込みをされていても、振込指定期間(11月8日)までに参加費のお支払いがない場合は、「当日申込」期間としての参加費を受付にてお支払い頂きます。
※ 事前参加申し込み期間の締切り後(11月1日以降)は、大会会場での当日申込受付となります。
お支払につきましては、請求金額にあわせまして指定口座にお振込をお願い致します。
ご請求金額・予約内容をご確認頂き11月8日(金)までにお振込みをお願い致します。
9.情報交換会
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日 時 11月23日(土) 18:30 ~ 20:30
会 場 北星学園大学 大学会館3F:大学生協食堂
参加費 5,000円
※事前のお申し込みが必要です。当日のお申し込みはキャンセル分のみ受付をいたします。
10.ふく・ボラサロンについて
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日 時 11月23日(土) 10:00 ~ 11:30
会 場 北星学園大学 C館:C402教室
※会場準備の都合上、事前のお申し込みが必要ですが、当日参加も受け付けております。
11.参加のお申し込みについて
参加をご希望の方は、大会ホームページ「参加申込」からお申し込みください。
※宿泊予約が必要な方は、事前申し込み期間内(10月31日24時まで)であれば、斡旋することが可能です。希望される場合は受付システム内の宿泊欄にてご選択ください。現在、札幌市内のホテルが大変混雑しておりますので、お早目のご予約をおすすめします。事前申し込み期間以降で、宿泊予約が困難な方は、下記「名鉄観光サービス株式会社北海道営業本部」までお問い合わせください。
12.自由研究発表(口頭・ポスター)のエントリーについて
開催要項10P「自由研究発表者へのご案内」もしくは、ホームページを参照のうえ、9月23日(月)までに自由研究発表【エントリーフォーム】からお申し込みください。なお、大会参加のお申し込みについても、自由研究発表エントリー期間内にお申し込みください。
※郵送・FAX・お電話での申し込みは受け付けできませんのでご注意ください。
13.情報保障について
手話通訳・要約筆記・点字資料をご希望される方は、参加申込の際にご記載ください。なお、23日(土)の開会式・基調講演・シンポジウム、24日(日)の課題別報告・大会発表賞表彰式・閉会式は手話通訳・要約筆記を予定しています。その他については個別に対応しますので、申込時にご希望をお書きください。事前準備の都合上、9月23日(月)までにお申し込みくださいますようお願いいたします。
14.キャンセルについて
申し訳ありませんが、入金後の参加費(参加費・弁当代・情報交換会費を含む)返金については対応しておりません。
15.協賛広告・学会出店について
大会要旨集への協賛広告、学会出店に関する募集概要については「協賛広告」をご確認ください。
16.お問い合わせ先
■大会全般に関すること
■参加・宿泊の申し込みに関すること
■大会事務局
一般社団法人WellbeDesign [ウェルビー・デザイン]
【所在地】札幌市厚別区厚別南2丁目7-28
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